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営業・マーケティング・新規事業 - 営業戦略、マーケティング

製品市場戦略による事業の再生

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コンサルティングニーズ
  • 赤字体質を何とか脱却したい
  • 愛着のある事業を客観的、冷静に見極めたい

コンサルティング内容
  • 事実に基づいた客観的な事業評価
  • 再建計画の検討

効果
  • 短期間の集中的な検討
  • 事業実態の客観的な把握
  • 主体的な意識の醸成

コンサルティングニーズ

背景

  • 建材事業は当社の創業の事業であるが、多角化による後発の事業が拡大し、今では売上規模で20%を下回るまでに低下した。全社の収益は後発の中核事業に支えられて黒字を維持してきたが、建材事業はマーケットの縮小の中で過当競争により 5年連続して赤字を余儀なくされ累積赤字が10億円を超えるに至った。
  • この間、建材事業の再建を目指して、高い売上目標を掲げて拡販を促したりリフォームや新商材などの新分野の開拓を進めたりと何度も対策を検討してきたが、結果的に赤字体質を脱却することができなかった。今後、中核の事業も経営環境の先行きが厳しくなることが予想され、株主に対する経営責任、中核事業に従事する従業員を含めた活力維持という面からも、もはや建材事業が赤字を続けることは許されない状況にあった。

トップマネジメントのニーズ

トップマネジメントは、建材事業は「マージンの低下による収益性の低下」「中間流通機能の整理・短縮化の動き」が進む中で事業の魅力が低下しているのに、長年かけて築き上げてきた取引関係や事業基盤、信用があり、愛着がある事業であるだけに事業を客観的、冷静に見極められずにいたのではないかという危惧を感じていた。そこで、仕組みややり方を変えて赤字を解消して生き残れる方策があるか、従業員の働く場を確保するために建材事業の中で生き残れる分野はないかを見極め、事業の方向性を明確にしようと、コンサルタントの支援を受けることにした。

コンサルティング内容

事実に基づいた客観的な事業評価に基づく事業再建計画の検討に着手

コンサルタントはトップマネジメントと協議し、次のような基本方針を確認した。

  • 「単年度で建材事業の赤字体質から脱却する」
  • 「そのために厳しい目で収支改善の可能性を評価し、収支改善の見込みのない事業は整理する」
  • 「残された事業を、より効率的なもの競争力あるものに再構築する」
  • 「建材事業の縮小を余儀なくされる場合は、中核事業が収益力を持つうちに全社的な経営資源配分の適正化という観点で要員を配置転換する」

そのうえで、本社企画部門と建材事業の中堅・管理職クラスからなるプロジェクトチームを編成し、純粋に事業としての評価を踏まえた事業の再構築計画を立案することにした。

1.事業特性の把握
1.建材事業をさらに市場(取引先)、製品・サービス内容から11の事業分野に区分。
2.事業区分ごとに、種々の公表データ、社内データ、担当者へのインタビユーにより、市場動向、業界動向、競争力、収益向上のための課題・アイデアを確認、整理。
2.業績推移と収支構造の把握
事業区分毎の位置づけ、評価の材料を得るために、事業区分毎に過去5年間の業績の推移、収支構造、生産性を分析し、収支改善の視点を得た。
  • 売上、限界利益、固定費、機能別担当人員、在庫などの推移
  • 収支改善に必要な売上高・粗利高/削減が必要な人員数・固定費
  • 一人当たり売上高/限界利益の推移、事業所間・同業他社との比較
  • 収支改善の視点・アイデアの抽出、整理
3.事業の位置づけと評価
これまでの検討結果を基に市場の成長性、市場での競争力、個別事業の収益性という3つの軸から事業区分毎の位置づけを明らかにし、重点検討対象事業とその検討の方向性を探索。
  • 市場拡大の見込みの強さ」「競争力の優位性の有無」から、今後も注力すべき魅力のある事業分野か否か
  • 「競争力の優位性の有無」「収益性の程度」から事業の性格を見極め、建材事業全体においてどう位置づけるべきか
  • 重点的に収益改善策を検討すべき事業はどれか、そのためにどういう方針で検討を進めるべきか
4.事業収支改善の可能性検討
短期間で収支を改善するという命題から、事業区分毎に実施可能な収支改善の方策とそれによる収支改善効果を把握。
1.限界利益拡大策の検討
他力本願や希望的観測に陥らないように特に留意しながら、施策の可能性と効果を検証。
例)
  • 競争力のある事業での競争力を活かした限界利益増の可能性と効果
  • 外注費、外注労務費等の変動費の改善余地と効果
2.限界利益内で収支バランスするための投入資源(人や事業所)の削減策の検討
確実な限界利益拡大が難しいと判断された事業は現在の仕事量(売上・限界利益額)をベースに、 収支がバランスするためのスリム化策を検討し、収支改善効果を予測
収支改善目標人員の算定とその陣容での事業継続の可能性検討
例)
  • 営業担当者と営業方法の改善(取引先の集約化、担当数の拡大の可能性等)
  • 施工管理者と施工管理方法の改善(外注化、担当数の拡大の可能性等)
  • 事務担当者と事務処理方法・体制の改善(集約化、多能化、パート化の可能性等)
  • 配送担当者と配送方法の変更(多能化、パート化、アウトソーシングの可能性等)
事業所や機能の統廃合、移転による収支改善可能性の検討
例)
  • 営業所の統合、受注事務機能、倉庫配送機能の集約
  • 事業所移転による家賃、固定費負担の低減など
5.事業再構築に向けた諸施策の組み合せと収支試算
事業区分毎に検討した収支改善策をもとに、いくつかの事業構成案を設定し、建材事業全体での事業規模、収支試算を行い、検討してきた構造改革施策で再構築が可能かを検証。
  • 事業構成の代替案を設定
  • 「競争力の優位性の有無」「収益性の程度」から事業の性格を見極め、建材事業全体においてどう位置づけるべきか
  • 重点的に収益改善策を検討すべき事業はどれか、そのためにどういう方針で検討を進めるべきか
1.事業構成の代替案を設定
2.ケース毎の収支と企業規模の試算
  • 目標とする利益水準に達成するかを確認し、必要に応じて合理化策を追加検討
  • 要員数の試算と余剰人員の規模の把握
3.事業再構築の方向付け
以上の検討結果を踏まえて、事業の方向づけを行い、トップと協議。
強化する事業/体制を維持する事業/集約、縮小する事業/撤退する事業
6.事業再構築計画の策定
以上の結果を基に、建材事業再構築のためのアクションプランにとりまとめ。
  • 事業構成
  • 事業区分別売上、限界利益、経費計画、組織計画、要員計画
  • 重点施策実施スケジュール(推進施策、推進部門、スケジュール)
7.組織運営・管理の仕組みの見直し
引き続き利益を維持向上できる体質に変革するために必要な管理システムを見直し、整備。
  • 利益管理システム
  • 工事予算管理システム

効果

長年社内で検討してきたが、抜本的な収支改善を行うことができなかった建材事業は、策定された事業計画をもとに3ヶ月間の移行作業を精力的に進め、翌年度に黒字に転換した。
短期間に実施に結びつく効果的な事業計画が立案できたのは、コンサルタントが参加し、関係者との協同作業を通じて次のような効果が生じたことによると、評価をいただいた。

フェーズを分けた順序立った、短期間の集中的な検討

悲観、楽観が交錯した事業の評価、余剰人員問題に対する不安、漠然とした市場拡大や商材拡大の期待などから、これまでは議論の焦点が定まらないままその場しのぎのようにして収益向上策をとりまとめてきた。
コンサルタントが参加することで、事業の再構築という課題にむけて順序立ててかつ計画的、短期的に検討に取り組むことができた。

  • まず最初に、冷静客観的に事業を評価し短期間で事業を再建する計画を立案する
  • その結果余剰人員が発生した場合は別途解決策を検討する。
  • 事業収支がバランスする計画を策定してから、収益を維持向上するために必要な管理システムを整備し、体質化を図る。

事業実態の客観的な把握とそれを踏まえた多角的な収益向上策の検討

当事者としては、「同業を見れば仕方がない」という言い訳と「何とかがんばる」というかけ声に近い意思表明を続け、結果的に収支改善につながる有効な施策を打てないままに数年が経過してしまった。
コンサルタントが参加することで、単なる楽観主義を廃し、客観的に事業を見つめるという姿勢に徹して検討することができた。 また、事業を見極めるという目的をもとに、事業の評価の軸を定め、それに必要な実態を短期間に整理することができた。そして、それをもとに考えられる収益向上策を多角的に検討し、その結果をトップはじめ関係者に示すことで、意思決定のための共通認識ができた。

実施責任者を巻き込んだ検討と意識の高揚

事業実態の把握から収支改善策の検討に至る過程で事業区分毎の実務責任者の参画と協議を繰り返し行った。
関係者は、苦しい事業環境の中で被害者意識や無力感を感じているものもおり、厳しい事業再建作業を主体的に推進する意識が萎えがちであった。しかし、新たなプロジェクトでの検討作業に参画する中で、事業再建に向けたトップマネジメントの思いに理解が得られ、また苦しい中でも自ら取り組むべき課題であるという主体的な意識が醸成された。
そのうえで、収支改善のための具体的な施策について組織的な承認が得られたことで、その推進に邁進することができた。

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